【鹿児島】美味しい!映える! 自然に温泉、体験も “ワンオク”(湾奥)へ行こう

鹿児島、姶良、霧島、垂水市「錦江湾奥会議」

 鹿児島県・錦江湾の奥側にあたる鹿児島、姶良、霧島、垂水の4市は湾奥(ワンオク)と呼ばれる。この4市でつくる「錦江湾奥会議」は、シンボルの桜島など豊かな自然を生かした観光の振興に力を入れている。海の幸や鹿児島和牛などの「食」、訪れた者を魅了する壮大な景色、疲れを癒やしてくれる温泉など、楽しみ方はいろいろだ。その魅力を紹介する。(加藤 博之)

鹿児島市の鴨池港と垂水市の垂水港を結ぶ「鴨池・垂水フェリー」から望む桜島

ワンオクの魅力 其の一「食べものがおいしい」

鹿児島市「かごっまふるさと屋台村」鹿児島中央駅ターミナルビル地下等で“復活”

 ワンオクを訪れたら、まずは腹ごしらえ。今年の「全国和牛能力共進会」種牛の部で日本一に輝いた鹿児島和牛や錦江湾でとれた海の幸など、鹿児島ならではの「食」をたっぷりと堪能したい。

 うなぎ、とんかつ、キビナゴ、黒豚しゃぶしゃぶ…。鹿児島の食を丸ごと楽しめる人気スポットが、鹿児島中央駅近くに7月に“復活”した「かごっまふるさと屋台村」だ。屋台村は2012年に駅の北側約200メートルに開業し20年末に営業を終えたが、再開を望む声が多かった。新しい屋台村は鹿児島中央ターミナルビル地下1階のバスチカ(18店)と、商業施設設「Li‐Ka1920」1階のライカ(7店)に分かれている。

 バスチカには「南薩摩・離島」「北薩摩」「大隅」の3エリアがある。いずれも個性的な店で、地場の食材をふんだんに使った郷土料理が味わえる。多彩な焼酎も合わせて飲みたい。迷った時は、その日観光で訪れた地域の店に入ってみるのも面白そうだ。

桜島美湯豚のとんかつ。素材の味を堪能したい

ソースや塩の要らない桜島美湯豚とんかつ

 今回は垂水の「八木男(やぎお)」へ。歯ごたえのある食感がたまらないカンパチの刺し身の後、ミネラル豊富な温泉水で育てられた桜島美湯豚(びゆうとん)のとんかつを食べた。店主の八木尚俊さんに「そのまま食べてみて」と言われ、頬ばると肉のうま味と、脂のほんのりとした甘みが口いっぱいに広がった。ソースや塩は一切付けずに一人前をぺろりと平らげた。

 「いかに素材を生かすかを考えて調理している」という八木さんの言葉に納得。原料のサツマイモをすべて自社栽培している垂水市の「八千代伝酒造」の焼酎も進んだ。

八千代伝酒造の「ハーベスター 収穫する者達(白)」をPRする八木さん

 かごっまふるさと屋台の営業は午前11時30分~午後11時30分。午後2~5時は閉じている店もある。バスチカの定休は第1月曜。このほかに店舗ごとの定休日がある。

 >かごっまふるさと屋台村(外部リンク) TEL 099-204-0260


ワンオクの魅力 其の二「映えるスポットがたくさん」

垂水市「千本イチョウ」

ライトアップされ幻想的な雰囲気の千本イチョウ(写真は昨年)

 垂水市の千本イチョウが見ごろを迎えている。4・5ヘクタールの敷地に植えられた約1200本の木々が黄金色に染まり、訪れた人を魅了してやまない。

 地元の中馬吉昭さん、信子さん夫妻が約40年以上前に荒れた土地を切り開き、イチョウの苗を一本一本植えた。やがて麓から山を見上げると、その一角が黄色く見えるようになり、口コミで評判が広まった。

 中馬さん夫妻は園を無料で開放。今では最盛期には1日6000人を超える観光客が訪れる。

 時期によっては日中は落ち葉がじゅうたんのように敷き詰められ、日光に反射して輝く様子も趣がある。夜はライトアップされ、幻想的な雰囲気を醸し出している。

 >垂水市水産商工課観光・ジオパーク係(外部リンク) TEL 0994-32-1111

姶良市「サイクルツーリズム」

龍門滝

 姶良市観光協会は、電動アシスト付き自転車を4時間1000円でレンタルしている。3か所で借りられるが、今回はJR帖佐駅前の観光案内所で借り、さっそく町に繰り出した。

 まずは龍門滝(りゅうもんだき)を目指してスタート。ペダルをこぎ始めて、すぐに感じたのは風だ。「これは気分がいい」。旅先で自転車に乗ることはあまりないので新鮮だ。電動アシスト付きだから、坂道でもスイスイと進んでいく。

 途中、龍門司坂(たつもんじざか)に立ち寄った。薩摩街道大口筋上にある石畳の峠道。西南戦争では西郷隆盛率いる薩軍がここを通って熊本へ向かった。NHK大河ドラマ「篤姫」や「西郷どん」のロケ地としても知られる。

龍門司坂

 自由気ままに目的地を変更できるのも自転車旅のいいところ。疲れたら休めばいいし、周辺のランチやカフェを楽しむのもありだ。

 龍門滝は高さ46メートル、幅43メートル。写真を撮ったりして少し休憩し、次は高倉展望台へ。標高125メートルの高台から桜島と姶良の町並みを一望し、おいしい空気を思い切り吸い込んだ。

 ここまでたっぷり楽しめたのに、使ったお金は自転車のレンタル代だけだ。何だか得したような気になって、地図を広げる。近くには、写真撮影スポットとして有名な「金山橋」や、龍門滝温泉もある。「さあ、次はどこへ行こうか」と考えながら、再び自転車にまたがった。

 >姶良市観光協会(外部リンク) TEL 0995-67-6052

霧島市「黒酢の郷 桷志田(かくいだ)」

黒酢の壺畑

 約2万個の壺が並ぶ壺畑は壮観だ。観光用に並べられているのではなく、玄米黒酢を壺に詰めて醸造している。ここで試飲ができ、直売もしている。併設の黒酢レストランでは黒酢を用いた料理を提供しており、いずれも絶品だ。

黒酢を使った料理も味わえる

 >黒酢の郷 桷志田(外部リンク)(0800・8888・962)


ワンオクの魅力 其の三「自然を体感できる」

鹿児島市「桜島ジオさるく体験」

楽しくガイドしてくれた高田さん(左)と姥さん

 何度も桜島を訪れているが、その成り立ちはよく知らなかった。日本ジオパーク(地質公園)の一つに認定されている「桜島・錦江湾」の知識を深めようと、ジオツアーに参加した。

 案内してくれたのは「体験する桜島へ」をテーマに様々なツアーを企画する「桜島ジオサルク」の高田昌志さんと姥千恵子さん。2人とも桜島・錦江湾ジオパーク認定ガイドだ。

 桜島は活発な火山活動を続け、雄大な景観、豊富な湯量の温泉など住民に多くの恩恵をもたらし、自然や歴史、文化と密接に結びついてきた。

 ツアーでは「そもそも火山って何?」「どうして噴火するの?」といった疑問を解き明かしながらバスで桜島の名所を巡る。

 溶岩なぎさ公園で、大正時代にできた溶岩の形状から噴火の様子を考察したり、「湯之平展望所」からの眺めを楽しんだり。島の歴史に思いをはせているうちに、あっという間に所要の2時間が過ぎた。ガイドの軽妙なしゃべりも楽しかった。

 「いつも見ている私たちにも毎回違った表情を見せてくれる」と桜島の魅力を語る2人。「火山やジオに興味を持つきっかけになってもらえれば」とツアーへの参加を呼びかけている。

 この「ガイドと行く!ジオ満喫コース」は1人2500円。ほかにバス乗車チケットが必要。

 >桜島ジオサルク(外部リンク) TEL 080-4873-7574


ワンオクの魅力 其の四「温泉で癒やされる」

霧島市「日当山温泉郷」

西郷どんが疲れを癒やした宿を再現

 西郷隆盛がよく訪れた温泉として知られる。天降川の両岸に20数軒の旅館や公衆浴場、家族湯がある。「日当山西郷どん村」には、西郷が宿泊した家を再現した家屋のほか、レストランや足湯、物産館がある。家屋の縁側に座って、湯治に訪れた西郷どんの気分になってみるのもいい。

ノアコーヒーでは珍しい国産豆のコーヒーが味わえる

 温泉でゆっくりした後に訪れたいのは、天降川沿いにある「ノアコーヒー」。沖永良部島で栽培された国産豆を使ったコーヒーを味わえる。

 >日当山西郷どん村(外部リンク) 観光案内所 TEL 0995-73-3828

 >ノアコーヒー(外部リンク) TEL 0995-50-1646


ワンオクの魅力 其の五「体験型観光を楽しむ」

姶良市「龍門司焼 次郎太窯」

工房で作業する12代陶主の川原輝夫さん

 ワンオクは体験型観光も盛ん。300年以上の歴史がある龍門司焼の次郎太窯を訪ね、焼き物づくりに挑戦した。ここでは今でも陶土などの原料は地元のものを使用しており、釉薬の調合は一子相伝だ。

 12代陶主の川原輝夫さんから手ほどきを受け、クルクルとろくろを回す。作業に集中し、他のことは何も考えない。少しの時間だったが、脳がリフレッシュされたような気分になった。焼き上がった「作品」は後日、宅配便で自宅に届けてもらえる。体験料は3000円(税別)から。

 >龍門司焼窯元 次郎太窯(外部リンク) TEL 0995-63-4267

(2022/11/28紙面掲載)


ワンオク地域で使える食事券など豪華プレゼント

 ワンオクから、同地域の食事券などをスポーツ報知読者18人にプレゼントします。

 食事券は絶品の鹿児島黒毛和牛が堪能できる霧島市の「個室焼肉ひごや」、垂水市の創業300年以上の老舗「十五郎そば」、姶良市の古民家を改装した人気店「カフェらびゅう」、かごっま屋台村など。鹿児島市街地や桜島観光に便利なバス・路面電車・フェリー乗り放題パス「CUTE」もあります。振るってご応募ください。

 応募はスポーツ報知西部本社公式Twitterで。 >該当ツイート

個室焼肉ひごやの鹿児島黒毛和牛
十五郎そば

◆賞品◆
 【ワンオク・スペシャルセット】(1人)CUTE2日×2枚、十五郎そば食事券2000円×2枚、個室焼肉ひごや食事券5000円×1枚、カフェらびゅう食事券2000円×2枚
 【ワンオク・オススメセット】(2人)かごっま屋台村食事券500円×10枚
 【鹿児島市賞】(4人)CUTE2日券2枚
 【垂水市賞】(4人)十五郎そば食事券2000円×2枚
 【霧島市賞】(3人)個室焼肉ひごや食事券5000円
 【姶良市賞】(4人)カフェらびゅう食事券2000円×2枚

 プレゼントは、はがきでも応募を受け付けています。詳しくは2022年11月28日のスポーツ報知西部版紙面で。九州・山口のコンビニ等でお買い求めいただけます。なお上記賞品数はTwitter、はがきを含めています。

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