ボートレースからつＧⅡ「唐津モーターボート大賞」／2023年7月11～16日開催

　ＧⅡ「唐津モーターボート大賞」が７月１１日から６日間にわたり開催される。Ａ１級、Ａ２級の好メンバーの激突は見どころ満載。決戦を前に、ボートレースからつを担当するスポーツ報知の高木拓也記者と、ボートレースからつの直前予想「ズバッと！！なべチャンネルで」おなじみの「なべちゃん」こと渡辺裕介氏がシリーズの行方を占った。（数字は６月２１日現在）

ＳＧ覇者に若手が挑む展開に

　―メンバーを見ての第一印象は

　なべ「若手が多いなという感じ。登録番号４７００番台以降の選手半分近くいて、ベテランはかなりの好メンバー。ＳＧ覇者に、若手が挑んでいくような展開になりますかね」

　高木「女子は大山千広、土屋南、小芦るり華の３人。軽量の利もありウーマンパワーさく裂と行くかも」

優勝候補筆頭はやっぱり峰竜太

　―それではズバリ優勝候補筆頭は

　なべ「イチオシは峰竜太になりますね。地元の大エース。これは仕方のないところ」

　高木「なべちゃんに同感。今年の地元は正月シリーズから一般戦を３節走って３連覇中。本当に頼りになる男」

　なべ「モーター運は悪いけど、最近は積極的に整備もして一発で良くなったりしている」

　高木「峰が走ると一般戦でもお客の入り、売り上げが全然違うし、優勝した後のインタビューも盛り上がる」

　なべ「（地元での）特別戦初優勝ともなれば、これ以上ない盛り上がりとなることでしょう」

安定感抜群の山口剛　ＧＰ覇者・白井英治

　―峰に続くのは

　なべ「山口剛にも期待しています。ＳＧでも安定感は抜群で、特に昨年の活躍はすごかった」

　高木「からつの成績も安定しているし、レース運びが本当にうまい」

　なべ「グランドチャンピオンでは優出。６９周年は負傷（エンスト）のため途中帰郷でしたがエンジンはトップ級でした。今回はリベンジ戦です」

　高木「白井英治も活躍は必至。からつは大得意でモーターボート大賞を含めて優勝は６回。昨年のＳＧ浜名湖メモリアル優勝戦でＦを切り、しばらく一般戦回りだったけど８Ｖ。特別戦に復帰して２節目。格が違うし、２年連続の賞金王に向けてチャージが始まりそう」

近況いい吉田拡郎　からつ好相性の篠崎元志

　―他で優勝争いに加わってきそうな選手は

　なべ「蒲郡６８周年を差して勝った吉田拡郎も注目の一人。エンジンが出たときはパンチ力がある。まくりもありますしＶ争いには絡んでくるでしょう」

　高木「篠崎元志もやるはず。抜群のセンスを誇り、大けがしなければ既にグランプリを制覇していたかも。特別戦は５優出で一般戦は４Ｖの活躍。からつ好走組の一人」

　なべ「赤岩善生は５月に走った強みがある。大したエンジンでなくても、整備力を発揮して舟足を引き上げてくる」

　高木「地元は上野真之介にも頑張ってもらいたい。一時期はエンジンも出て特別戦でも安定していたけど、最近は調整面に不安ありでヒットがない。そろそろ特別戦初Ｖを決めないか」

若手は地元の北川太一や定松勇樹らに期待

　―ヤング勢のイチオシは

　なべ「若手の域に入るか微妙ですが、太一ちゃん（北川）に期待したい。地元を走る機会が多く、モーター抽選運が良くてエンジンもよく出す。Ａ１にもなり最近はスタートも早い。ダッシュ乗りがいいので外枠でも着を拾える。初優勝は近いし、ＧⅡでもやれると思う」

　高木「トップルーキーの定松勇樹は大暴れの予感大。からつＧＷ戦で今期早々とＦを切ってしまったけどＳＧ覇者にスピードは負けていない。間違いなくＳＧを勝てる選手で、何よりやんちゃな雰囲気が好き」

　なべ「地元は安河内健も目が離せない。Ａ１にもなりオールスター（芦屋）でＳＧも経験。負けん気もある。遠征組では井上忠政が気になる。昨年の当地ルーキーシリーズで優出。果敢に攻めて１着数も多い。強気のレーススタイルはおもしろい」

　高木「６月に当地初優勝した佐藤博亮も侮れない。４月はパンチある１７号機で優出。まくりもありで攻め幅の広さは支持できる。昨年、芦屋ＧⅡモーターボート大賞を含めて１０Ｖと大活躍した新開航は、６月は常滑一般戦、鳴門ＧⅢウエスタンヤングを連覇。今年は３優勝と好調持続。クレバーな走りは魅力」

女子は大山千広、土屋南、小芦るり華の３人が出場

　―女子は３人が参戦

　なべ「大注目は小芦ですね。最近はピット離れの良さも武器にしている。舟足の仕上がりも早く、ホームプールで強豪を相手にどこまでやれるか楽しみ。ただ、ウエスタンヤングでＦを切ってしまったのは痛い」

　高木「最近はコーナー戦に磨きがかかっている。道中しぶとく粘って存在感は示すはず」

　なべ「大山もＦ持ちですがターンスピードがある。女子は少数ですけど精鋭。土屋を含めて全員が活躍してもおかしくはない」

　エンジンは昨年８月２８日が初使用。約１０か月ほど使われていて、相場は固まっている。からつ水面を知り尽くす二人のイチ推しエンジンを紹介する。

エース２９号機は「伸びて迫力ある」

　―モーターボート大賞で頼もしい助っ人になりそうなエンジンは

　なべ「エースの２９号機ですね。間違いなしでしょう」

　高木「５月のオールレディースで山下夏鈴が５コースまくりで初優勝したが、スタート展示はチルト２の堀之内紀代子より伸びていた。出足も強力で文句なしの節一だった。転覆などで壊れずＧⅡを迎えて欲しい」

　なべ「振り返れば初使用の抹香雄三がすごく出ていた。６月は大井清貴が乗って山下に続き初優勝。伸びるので、迫力があってレースに面白みがある。分かりやすくていいモーター」

　―エース機に続く好素性機は

　なべ「１７号機ですね。昨年１０月に岡村仁が優勝。最近も森野正弘、優出した北川太一が噴いていた。勝率、２連対率こそ傑出していないが全体的に余裕ありの感じ」

　高木「２８号機も底力を秘めている。４月の男女混合戦で小芦るり華が優出した時はピット離れが強力。その後も武富智亮、関野文が優出。今垣光太郎は目立たなかったけど出足は悪くなかった」

伸びる６７号機 復活ムードの３７号機 上り調子の１１号機など注目

　―他で噴きそうなのは

　なべ「伸び系で注目は６７号機。オールレディースで優出した喜井つかさ、乗り継いだ田路朋史、寺田千恵もスリット近辺でのぞいていた」

　高木「３７号機は復活ムードが漂う。元エース機で一時は機力変調していたけど、４月の新ペラ交換後は出足系がしっかりしている。１着数ではトップを走る」

　なべ「１１号機はＧＷ戦の上野真之介から、小芦、田中信一郎、牧山敦也（初優出）と４節連続ファイナル進出。優勝こそないけど優出は７回もある。上り調子で目が離せない一基」

　高木「初下ろし節で安河内将、３月に島村隆幸が優勝の４６号機も力強さあり。冬場はパワーダウンしていたが大整備の効果もあって復活ムード。旋回後の立ち上がりは俊敏」

　なべ「峰竜太が立て直して優勝した４５号機と３０号機にも注目したい」

　高木「確かに。４５号機は實森美祐から新ペラになったけど、松尾拓（優出）も好気配だった。３０号機は峰の後に使用の横田貴満、田中宏典が舟足に合格点。劣勢さは完全に解消されている」

　なべ「あと６６号機も上位ランク候補。２月のヴィーナスシリーズを制した西橋奈未は、すごくいい足をしていた。素性は良さそう」

（web限定 2023/6/26公開）