【ボートレース】羽野直也のオーシャンカップV 20代のSG優勝は8年、71大会ぶり

オーシャンカップを優勝した羽野

2015年メモリアルの篠崎元志以来

 児島オーシャンカップは羽野直也のSG初制覇で幕を閉じた。徳山グラチャンで磯部誠が平成生まれ初のSG覇者となったばかりだったが、2大会続けて平成生まれのSG覇者が誕生した。

 羽野の年齢は28歳3か月。驚くべきことに、20代の選手がSGを制覇したのは、2015年8月の蒲郡メモリアルで峰竜太との死闘を制した篠崎元志以来で、実に8年ぶり。20代のSG初制覇となると同年3月の尼崎クラシックの桐生順平以来だった。

 1953年11月に若松で記念すべき最初のSG、ダービーが開催されて以降、児島オーシャンカップは415回目のSG優勝戦で、そのうち20代の選手の優勝は94回。確率にして27%という数字になる。おおよそ4回に1回は20代の選手が優勝していることになるが、近年は20代のSG覇者は本当に珍しくなってしまった。先ほど8年ぶりと書いたが、回数にすると実に71大会ぶりの20代覇者なのだ。

植木通彦は20代でSG5回優勝

 ボート界は若手よりもベテランの方が圧倒的に強く、45歳以上のいわゆるマスターズ世代の活躍の方が目立っている。昨年こそ2人だけだったが、2年前の21年には前本泰和、浜野谷憲吾、原田幸哉、辻栄蔵、瓜生正義と5人のSG覇者が誕生したことは記憶に新しい。

 そんなボート界でも、90年代に世代交代の嵐が吹き荒れたことがある。服部幸男、植木通彦、松井繁らが台頭した時期で、最年少SG制覇の記録を持つ服部は4回のSG制覇が全て20代。植木は20代で最多となる5回のSG制覇を成し遂げている。

 羽野のSG初制覇が、世代交代の起爆剤になってほしい。かつて羽野の最大のライバルだった仲谷颯仁をはじめ、関浩哉、新開航、末永和也ら20代の有望株は決して少なくない。90年代のような若手の台頭があれば、ボート界がさらに盛り上がるのは間違いない。 (井上 誠之)

(2023/7/26紙面掲載)

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