【ボートレース】高倉和士 クレバーなレーススタイルと熱い魂が交錯 G1制覇も現実的な位置/記者が選んだ2024イチ推し選手

G1で4回優出している高倉

羽野直也、新開航だけじゃない 芦屋のスター候補出身者

 羽野直也がSGを制し、新開航はG1初制覇。昨年は、以前担当した芦屋のスター候補生たちが節目の年を迎えた。そこにもう一人付け加えたいと期待するのが高倉だ。

 A1は通算9期となり、勝率7点台も2回マーク。A1選手の枠を超え、G1タイトルやSGでの活躍が待たれる有望株だ。デビュー12年目の32歳。脂が乗った旬の時期にさしかかる。ただ、そんな状況面にとどまらず、本人の内面にこそ期待したい理由がある。

 これまでG1は17回走って4回の優出。その内、3回は準優1着突破と優勝が現実的なところまで勝ち進んだ。上のステージに対応できた一つの要因が精神面。「一般戦で頑張っているのはG1、SGに行きたいから。ただ、そのG1で結果が出せないとまた呼ばれなくなる」。目的意識と危機感が好走を支えている。

 戦う上でのポイントも明快だ。「格上相手にできることは二つあると思っていて、一つはいいエンジンを引いて相手より少しでも出すこと。もう一つはリスクを取ってSを行くこと。ここで行かないと何のために頑張っているのか分からない」。クールな外見にクレバーなレーススタイルを特徴とするが、見た目とは対照的な熱いものを内に抱えている。

 昨年11月の常滑周年で優出したが、後輩の新開が優勝するのを目の当たりにすることに。「違いを考えますね。(自分は)パンチ力があるタイプではない。そこは意識しています」。結果を求めて考え抜く中、スタイルの進化へ行き着くのかも。模索の中で飛躍を目指す2024年。まずは2月、芦屋「九州地区選」に注目したい。 (中村 雅俊)

◆高倉 和士(たかくら・かずと)1991年6月25日生まれ、32歳。福岡県飯塚市出身、福岡支部。12年11月、111期生として芦屋でデビュー。同期は竹井貴史、安河内将ら。15年6月芦屋で初優出、18年10月徳山で初優勝。通算8回の優勝。19年2月芦屋地区選でG1初優出。生涯獲得賞金は2億4169万4598円。かに座。169センチ、54キロ、血液型A。

(2024/1/4紙面掲載)

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