【ボートレース】インの鬼・西島義則 史上5人目の通算3000勝達成 歴代最多勝利までひた走る

西島義則
デビュー通算3000勝を達成した西島

SG7冠 インから全速ターンの先駆者

 8月1日の浜名湖で、西島義則(62歳・広島支部)がデビュー通算3000勝を達成した。倉田栄一、北原友次、岡本義則、加藤峻二の名だたるレジェンドに続く5人目の快挙だ。

 ボートレースにはあまり縁がなさそうな島根県出身だが、叔父に田原洋一という埼玉支部のインファイターがいた。また、元JRA騎手の田原成貴さんはいとこにあたる。

 今村豊の1期後輩で同期の大嶋一也と2人、早くから記念レースを走っていたが、勝ちたい気持ちが強すぎた分、あまりにもFが多すぎて出世は遅れた。1990年にグランプリに初出場した時も1走目でFに散ったりしている。

 転機は93年3月の戸田クラシック。植木通彦がモンキーターンでSG初優勝したレースを見て衝撃を受けた。モンキーターンはサイドの掛かりがそれまでのターンと比べてケタ違いに良く、「インからモンキーで全速ターンをすれば全部勝てる」という思いでインの鬼へ転向、ここから快進撃が始まった。西島は今では誰もが当たり前のようにできるインからの全速ターンの先駆者でもあった。

 00年には大減量の成果で史上2人目のSG3連覇を達成するなどSGは7冠。これは仲良しでもあった今村と同じ優勝回数。62歳になった今なお、最年長A1級レーサーとして君臨し、昨年はダービーにも出場しているのだから本当に恐れ入る。

 9月3日時点で3009勝となっており、3031勝の岡本、3088勝の倉田を抜いて歴代3位に浮上するのはほぼ確実。「子供が小さいし、まだまだ引退する気はない」とも話しており、73歳まで現役だった加藤の3294勝、さらには北原が持つ歴代1位の3417勝を更新するくらいの意気込みでまだまだ頑張ってほしい。77歳で現役の高塚清一の姿を見れば、決して夢物語ではない。 (井上 誠之)

(2024/9/4紙面掲載)

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