【ボートレース】選手の個性生きるルールを ペラ割による欠場避けて我慢続けた高田ひかるが本来の姿取り戻す

高田ひかる
ペラ調整を解禁して復活を目指すまくり姫・高田

1年間で4枚のペラ割で1か月の出場停止処分に

 ペラを調整中に割ってしまうと新ペラに交換になり、そこから1年間その記録が残る。1年間に累計4枚交換になると1か月の出場停止処分が下される。「1か月ぐらいええやんって思うかもしれないけど、出走回数や賞金争いを考えると大きいので叩かない選択を取りました」と語るのが、昨年7月から1月までノーハンマーを選択した高田ひかるだ。柔らかい新ペラもあれば、長期間使ったペラを受け取ることもある。それはエンジンと同じで抽選運に託されることになる。

 高田だけではなく、ペラが割れそうなことで調整に足踏みしてしまう選手もいる。それが事故につながってしまったりすると元も子もないのではないか。「割った人はもちろん悪いが、もっと割れない工夫もして欲しい。私の後に引いた人もそうだし、誰しもリスクがある」という意見は至極当然にも聞こえる。

 「叩いても割れにくい場所で調整すれば良かったのかもしれないけど私にはできなかった」高田は、現場の記者や勝利者インタビューを通して「何も言わなければファンの人に失礼だと思ったし、自分らしさのない状態で戦うことの意思表明をさせてもらいました」と、仕上がり状況だけではなく自身の置かれた状況も伝えてきた。

 誰もが決めれられたルールの中で仕事に取り組むのだが、没個性や事故につながるのは望むところではないはず。リスクの減った高田は「半年間のブランクも感じている」と感覚を取り戻すべくペラ調整に励んでいる。まくり姫の復活と細かなルールの改善を祈っている。 (井上 泰宏)

 (2025/3/12紙面掲載)

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