【ボートレース】地元選手の熱い思いと熱狂的な声援…若松SG、福岡G1の現場で感じた経験の価値

ボートレース福岡の写真
平日にもかかわらず場内の優出インタビューには多くのファンが詰めかけた

待機行動中の熱狂や一体感は「祝祭」と同じ

 最近、SG、G1を続けて取材したこともあり、現場で体験するということの『重さ』を感じている。舟券ならネット投票でいつでもどこでも手軽に買える。それだけではない、現場で感じる経験の価値を再認識した。

 3月は若松でSGクラシックを開催。地元の西山貴浩がいわば主人公だった。勝利者インタビューには大歓声。子どもの声援がひときわ大きい。そして期待通りに優勝戦へ。写真撮影のために待ち構えた2Mでは、待機行動中、西山を中心とした選手たちへの声援が叫びとなって降り注ぐ。その熱狂や一体感は大きな祝祭をすら思わせるものだった。

ボートレース福岡
場内の芝生広場に選手プロデュースのうねり食堂が開かれた

うねり食堂にポンコツドリーム 魅力的だった福岡周年の施策

 4月はG1福岡周年。平日ながら多くのファンが詰めかけた優勝戦では、やはり地元選手が印象に残った。優勝に手が届きかけながら転覆に終わった篠崎元志。無念の気持ちは痛いほど伝わる。救助艇に引き揚げられたあと、ファンに向かって頭を下げた時間の長さに大きな思いが詰まっていた。

 そうした現場ならではの魅力を伝えるためにも、来場を促す施策が重要になる。その意味でも今回の福岡周年は魅力的だったと思う。

 まず食に関して。場内には福岡ゆかりの選手がプロデュースした店の並ぶ「うねり食堂」が開かれた。味や価格に「推し」の要素という付加価値を生み出した。

 もう一つは2日目のポンコツドリーム。西山貴浩率いる、各種イベントでおなじみのポンコツ会メンバーによるレースだ。初日の選手紹介、2日目にはドリームインタビューとアピールタイムも十分に作り出された。レース内容や売り上げが検討されるべきなのは当然だが、2日目のインタビュー終了時、周囲の女性がもらした「あ~、楽しかった」という言葉が印象に残る。それだけでもこのドリームを行った価値があると言えるように思えた。 (中村 雅俊)

 (2025/4/23紙面掲載)

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