【ボートレース】グランプリで見えた課題 トライアル1st責任外失格の得点見直しを

優勝戦41億円返還も大盛況

 昨年12月、2年ぶりに住之江のナイターグランプリ(GP)の取材に行った。優勝戦では峰竜太がブイに接触して転覆するアクシデントが発生。4艇が事故に巻き込まれ3連単などが不成立。史上最悪となる約41億円が返還となってしまったものの、それを差し引いても売り上げ目標を上回る約240億円を売り上げる大盛況だった。

 しかし、昨年のGPは最終日の事故を除いても大きな課題を残す大会となった。初日のトライアル(TR)1回戦12Rでは1Mで前本泰和が妨害。これに巻き込まれた池田浩二と石野貴之が転覆。この2人は不運な選手責任外の失格だが、たった2走しかないTRでいきなり0点。あっという間に2ndステージ進出の可能性を奪われた。

被害艇にも勝ち上がる可能性を

 実は2019年の住之江大会初日にも柳沢一の妨害に巻き込まれた太田和美と茅原悠紀がいきなり終戦。この時も「被害艇なのに一発で勝ち上がりの権利がなくなるのはかわいそうだ」という声が上がっていたことを思い出す。

 TR1stの得点は特殊で、1着から14、12、11、9、8、7点。6着でも7点あるのは、1st敗退組はその得点を持ち越してシリーズ戦の方へと戦いの舞台を移すから。これはこれでよく考えられた素晴らしい得点なのだが、問題は選手責任外の失格が0点のままであること。6着との7点差は、実質的にマイナス点に等しく、どうあがいても勝ち上がることは不可能に近い。

 選手責任外の失格にせめて6点を与えれば、2回戦で1着ならまだ2ndに勝ち上がる可能性は残る。1年間、がんばってベスト18に残った選手のことを思えば、不運な巻き添えで一発終戦なんてことはあってはならない。今年の大村GPではぜひとも、被害艇の得点の見直しをして欲しいと思うのは、筆者だけではないはずだ。(井上 誠之)

(2022/1/12紙面掲載)

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