【ボートレース】福岡って面白い! 絶対ではないインコース 周年記念楽しみ広がる

8月から担当 浴びた洗礼

 8月からボートレース福岡を担当するようになった。全国24場の中でも特殊水面として有名な場の一つ。早速、その洗礼を浴びている。

 あまり大きな声では言えないが、最初の3日間連続で「自信の◎」を外した。その日の12レースの中で最も信頼できる選手に託す「自信の◎」は、だいたい1号艇を選ぶ。

 この3日間も一番固いと思った1号艇の選手を選んだが、いかにも逃げそうな、最も勝ちそうな選手が負けた。一番強いインとはいえ福岡では簡単ではなく、不確定要素が多い。ギャンブルにとって当たり前とも言える論理が働くレース場であることを痛感させられた。

イン1着率は全国平均とほぼ同じも…

 データをみると、今年の福岡のイン1着率は55%で、全国平均の56%とほぼ同じ。レースを見ていても1号艇の選手がすんなり逃げるシーンは多く、そこまでインが弱い訳ではない。ただその反面、絶対的と思える選手がインで負けたり、勝負どころで波乱となったりするケースが目に付くのもまた事実だ。

 8月に行われたお盆開催とヴィーナスシリーズ。お盆開催ではシリーズリーダーの前田将太が準優1号艇で敗退した。予選中には仕上がりもイン実績も申し分ない古沢光紀がインで2回敗れたのも印象的だった(古沢は優出、前田も優勝と結果は残したのだが…)。

 ヴィーナスシリーズも象徴的。宇野弥生が10戦8勝でシリーズを圧倒したが、優勝戦では1号艇で敗れる波乱が起きた。守りのイン戦より、攻めるセンターの方が簡単に白星をつかめるとさえ思えてしまう。

9月7日からG1福岡チャンピオンカップ

 担当になってもう一つ感じるのは、レース展開のスリリングさだ。そんな当地で9月7日からG1福岡チャンピオンカップが開催される。昨年は地元の前田将太が予選トップから準優、優勝戦も逃げ切る王道Vとなった。イン逃げか、波乱か--。トップレーサーによる、一筋縄ではいかない激しいレースが繰り広げられるのを楽しみにしている。 (中村 雅俊)

(2022/8/3紙面掲載)

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