【ボーイズリーグ】熊本宇城ボーイズ 全力で、がむしゃらなプレーでつかんだ四半世紀ぶり全国切符/選手権大会熊本県支部予選(中学生の部)

第55回選手権大会【中学生の部】熊本県支部予選(2024年6月1、2、8日・山鹿市民球場)

 夏のリーグ日本一を決める「第55回選手権大会」(8月2~7日・大阪シティ信用金庫スタジアムほか)の中学生の部支部予選が各地で開かれ、出場チームが次々に決まっている。熊本県支部予選の決勝は、熊本宇城ボーイズが熊本光の森ボーイズを7-0(5回コールド)で破り、25年ぶり4度目の本戦出場を決めた。

熊本宇城ボーイズ
スタンドの保護者に優勝を報告し、腕を上げて喜ぶ熊本宇城の選手たち

▼中学生の部
決勝 熊本宇城7-0熊本光の森
(5回コールド)

サイド右腕・小田愛 5回無失点

 一つひとつのプレーに集中して戦ってきた熊本宇城。四半世紀遠ざかる全国大会出場へ、あと1勝に迫った決勝の大一番でも、ナインに緊張は見られなかった。大嶌監督が「いつも通り楽しんでいた」と評した通り、主将の小田虎は「全てにおいてがむしゃらに、躊躇(ちゅうちょ)なく戦えた」と胸を張った。全力を注ぎ込み、25年ぶりの栄冠を手にした。

 先発し、5回を無失点に抑えた横手投げ右腕の小田愛は「外角にカーブ、内角に真っすぐが決まった」と、安定した制球を披露。打者を打ち取るたびにマウンドで雄たけびを上げ、気迫がみなぎった。野手陣も、守っていた位置から離れた所へ飛んだ打球を懸命に追い、必死に手を伸ばして捕球するなど、ガッツあふれるプレーでもり立てた。

熊本宇城ボーイズ小田愛
決勝で5回を無失点の熊本宇城・小田愛

2死からつないで関3点打などで先制

 コツコツつないで得点するチームカラーも存分に発揮。3回は、2死走者なしから単打や敵失で満塁とし、関の3点三塁打などで4点を先制した。関は「何も考えず、来た球を打った」と、無心でバットを振ったことを強調した。続く4回にも連打で好機を広げて3点を追加し、突き放した。打線は今大会、全3戦で計23点を奪い、6安打をマークした徳峰らの活躍も光った。

熊本宇城ボーイズ
決勝の3回、生還した走者を笑顔で迎える熊本宇城ベンチ

大嶌監督「半分以上が試合に出ていない選手たちの力」

 大嶌監督は「優勝できたのは、半分以上が試合に出ていない選手たちの力によるもの」と総括。現チームは昨秋、思うような結果を残せなかったものの、一丸となって戦うことの大切さが選手たちの間に浸透していったという。決勝では3年生13人の内、5人は出場機会がなかったが、ベンチから常に大きな声を出し、仲間を鼓舞した。

 好投した小田愛が「試合前は不安もあったけど、みんなの声で気持ちが楽になった」と言えば、小田虎は逆転サヨナラ勝ちした予選リーグの熊本泗水戦に触れ、「みんなの励ましで勝てた」と感謝した。

 チームOBの大嶌監督が中学3年の時以来となる全国の舞台。熊本宇城は真夏の大阪決戦でも、一つになって全力で挑む。 (弓削 大輔)

※新聞紙面では選手名フルネ-ム表記、別カット写真および全試合バッテリ-&長打の選手名入りの記録を掲載 <バックナンバ-お買い求め方法

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