【ボーイズリーグ】福岡西南ボーイズ しびれる試合重ねて精神的に成長 強豪破り初の「全国」へ/ジャイアンツカップ福岡県代表決定戦

第18回ジャイアンツカップ福岡県代表決定戦/九州A地区最終予選(2024年7月6、7日・今津運動公園野球場ほか)

 中学硬式野球クラブチームの日本一を決める「ジャイアンツカップ」の最終予選となる地区代表決定戦が九州各地で行われ、ボーイズ勢が次々と本戦の出場権を獲得した。代表2枠の福岡県(九州A)は福岡西南ボーイズが優勝し、1位通過で初出場を決めた。代表1枠の南九州地区(九州C)は県央宮崎ボーイズが制し、5年ぶり2度目の出場切符をつかんだ。福岡県のもう1枠と中九州地区(九州B)は他リーグのチームが手にしたものの、5月に沖縄県(九州D)代表を獲得したうるま東ボーイズを含め、九州エリアの全5枠のうち3チームをボーイズ勢が占めた。本戦は8月20~25日に東京ドームなどで開かれる。

福岡西南ボーイズ
第1代表での本大会出場を決め、喜ぶ福岡西南ナイン

▼福岡県代表決定戦
準決勝(代表決定戦) 福岡西南6-1飯塚

秋春九州王者の飯塚破る

 2018年にボーイズリーグに加盟してから6年。ついに福岡西南が初めてとなる全国大会の出場切符を手に入れた。勝てば本戦出場が決まる大一番の準決勝。勝利の瞬間、ベンチから戦況を見つめていたエースの浦野は、真っ先に捕手の中島へ駆け寄った。2人は抱き合って喜び、集まった仲間たちとともに満面の笑みを浮かべた。

 準決勝の相手は、同じボーイズリーグの飯塚ボーイズだった。昨年9月以降に9大会で優勝している強豪。福岡西南も5月のゼット旗大会2回戦でサヨナラ負けを喫していた。

福岡西南ボーイズ浦野
準決勝で好投した福岡西南・浦野

浦野、三島の両投手を中島が好リード

 強打者がズラリと並ぶ飯塚の「九州最強打線」に対し、福岡西南バッテリーは真っ向から挑んだ。先発した左腕の浦野は「変化球でストライクが入らなかったから、直球でコースを狙うしかない」と全力で投げ込み、捕手の中島も「ボールが先行しないように」と、直球でストライクゾーンを強気に攻める配球で応じた。浦野は四球を1個しか与えず、5回1/3を4安打1失点。球数制限のため6回途中でベンチに下がったが、後を託された右腕の三島も好投し、1回2/3をゼロに抑えた。

福岡西南ボーイズ中島
投手陣を引っ張った福岡西南の捕手・中島(左)

4月以降14戦中10戦が2点差

 チームは6月の選手権大会予選準決勝で延長戦の末、0―1で福岡志免に惜敗した。悔しさのあまり泣き崩れる選手もいた。まだ全国への道が残っていたとはいえ、すぐには気持ちを切り替えられなかった。

 そこで吉田監督は「人前で話すことで気持ちが強くなる」と考え、3年生が一人ずつチームメイトの前に立って決意表明する時間を設けた。ジャイアンツカップに出るため、自分がやるべきことは何か――。それぞれが思いを言葉にすることで、強い意志が宿った。だから強敵が相手でも強気を貫けた。

 4月以降の公式戦は全14試合で、敗戦も含めて10試合が2点差以内の接戦。指揮官は「しびれる試合ばかりやってきたので精神的に強くなっている」と言う。数々の激闘で積み重ねた経験と自信。それを最大の武器にして、夏の東京決戦でも勝負強さを発揮する。 (弓削 大輔)

※新聞紙面では選手名フルネ-ム表記で別カット写真を掲載 <バックナンバ-お買い求め方法

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