【ボーイズリーグ】飯塚ボーイズ 天国の井上代表に届けた全国2勝 開幕カードでチーム一丸強豪撃破/選手権大会(中学生の部)

エイジェックカップ第55回選手権大会(2024年8月2-7日・大阪シティ信用金庫スタジアムほか)

 夏のリーグ日本一を決める「エイジェックカップ第55回選手権大会」は、全国の予選を勝ち抜いた中学生の部48、小学生の部16のチームが出場して開かれた。中学は宮城仙北ボーイズ(東北中央支部)、小学は堺中央ボーイズ(大阪阪南支部)が優勝した。九州ブロックからは中学9、小学1の計10チームが挑んだ。中学で2勝を挙げて16強入りした飯塚ボーイズ(福岡県北支部)の奮闘ぶりを紹介する。

飯塚ボーイズ
初戦で枚方に快勝し笑顔の飯塚ナイン

枚方相手に初回から気合全開

 天国に白星を届けたい――。その思いを一つにして戦った飯塚が、全国の舞台で躍動した。

 開幕試合となった大阪の強豪・枚方との初戦は、初回から気合全開だった。1死二塁から主将の中島が左翼線へ適時二塁打を放って先制すると、なおも続く2死一、三塁から加納が左前適時打。同点に追いつかれた後の3回には、加納が再び左前適時打を放ち、5回に白川の適時打、6回に宮崎の適時二塁打で突き放し、最後まで攻め続けた。加納は、6回2/3を3安打2失点の好投も見せて勝利を引き寄せた。

飯塚ボーイズ中島
1回戦の1回・加納の適時打で生還する飯塚・中島

大会直前に訃報 伝え続けた「気持ち」の大切さ

 負けられない理由があった。大会直前の7月27日に、井上代表が病気のため他界した。春山監督とは、飯塚商高時代のチームメートで、春山監督から「最後に、一緒にやろう」と誘われ、10年前に代表となった。常にチームに寄り添い、「気持ちが大事だ」と選手にアドバイス。今夏の支部予選でもベンチ入りし、全国大会が行われる大阪に「行きたい、行きたい」と口にしていた。選手らは大会前日の1日に指揮官から訃報を知らされ、涙が止まらなかった。

 2回戦の鯖江戦は、接戦をものにし突破。優勝した宮城仙北に3回戦で敗れたが、この試合も序盤に5点を先行されながらも中盤に一度追いつく粘りを見せた。チームを引っ張った主将の中島は「代表が残してくれた言葉は忘れない。一緒に全国制覇をするつもりで、ここに来ていたが…」と唇をかんだ。

 全国制覇の夢はかなわなかったが、ありったけの思いを込めた全力プレーで2つの白星を飾ったナイン。井上さんは天国から誇らしげに見届けてくれたに違いない。

※新聞紙面では選手名フルネ-ム表記、別カット写真および九州ブロック関係の全試合バッテリ-&長打の選手名入りの記録を掲載 <バックナンバ-お買い求め方法

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