【ボーイズリーグ】糸島ボーイズ 急造投手の緊急登板でピンチ切り抜け新チーム初優勝/エスエスケイ杯争奪新人王決定福岡大会
- 2024/10/16
- ボーイズリーグ記事
第2回エスエスケイ杯争奪新人王決定福岡大会(2024年9月21、23、28日・県営筑豊緑地野球場ほか)
「第2回エスエスケイ杯争奪新人王決定福岡大会」は、福岡県3支部の中学43チームが出場して行われた。決勝で糸島ボーイズ(福岡県南支部)が山口下関ボーイズ(北九州支部)を5―3で破り、1、2年生の新チームとなってから最初の大会で初優勝を飾った。
▼中学生の部
決勝 糸島5-3山口下関
捕手・上田が公式戦初登板で無死満塁を火消し
緊急登板した糸島の上田が、チームの危機を救った。
決勝の3―3で迎えた5回、無死満塁のピンチで、捕手を務めていた上田は3番手の投手として急きょマウンドに立った。交代直後の打者を三塁へのゴロに仕留める。打球は三塁手から本塁、そして一塁へも送球されて併殺打に。次の打者も右飛に打ち取り、脱した。6回に2死満塁、7回に2死一、三塁と、公式戦初登板で窮地はさらに続いたが、最後までしのいだ。
1週前に首脳陣から登板の可能性を告げられ、本格的に投球練習を始めたばかり。北村監督は「角度のある球が投げられる。マウンド度胸もあり、動揺しない」と考え、この大会一番のヤマ場で起用した。期待に応えた上田は「緊張はしなかった。小学生の時は打っても投げても満塁で強かった。楽に投げられた」と冷静に振り返った。
昨秋1年生、今週ジュニア未勝利から逆襲
打線は、1点を追う4回に上田と松尾の連打で好機を作り、梅木の犠飛で追いついた。続く5回に久保の二塁打を足がかりに無死一、三塁とし、内野ゴロと敵失で2点を入れて勝ち越した。
糸島は、九州の代表的な強豪として知られるが、昨年の九州ブロック1年生大会は支部予選の初戦で敗れ、今夏のジュニア大会でも未勝利に終わった。この十数年間で、新チーム始動前の時点でこれほど苦戦したことはなかった。
元気良く声出し 一体感でつかんだ優勝
主将でもある上田は、「練習に取り組む姿勢に一体感が足りなかった」と言う。そのため、練習の時から試合のような雰囲気で、みんなで元気良く声を出すことを意識した。今大会は初戦で八幡に1―0で競り勝ち、試合を重ねるごとにチームワークは高まった。歴代のチームに比べて強打者は多くないが、一丸となって戦い、栄冠を手にした。九州大会や全国大会の各予選でも全員で勝利をつかみにいく。
エース左腕・末永 強力八幡南打線をシャットアウト
糸島のエース左腕・末永が最優秀選手に選ばれた。先発した準決勝では、新チームになってから公式戦全9試合で計86得点の八幡南を相手に、5回途中まで1安打無失点に抑えた。2回には適時打も放ち、投打で躍動した。末永は「スライダーでカウントを取り、真っすぐで押せた」と胸を張った。
制球面で課題があったが、走り込みを重ねたり、食事量も多くしたりして下半身を強化したことで、安定感が増した。「しっかり腕を振れるようになった」と自信を深めていた。
(2024/10/5紙面掲載)
※新聞紙面では選手名フルネ-ム表記、別カット写真および全試合バッテリ-&長打の選手名入りの記録、その他チ-ムの記事を掲載 <バックナンバ-お買い求め方法>