【競輪】一丸尚伍 非凡なレースセンス 九州競輪界期待の新星/2023イチ推し選手

記者が選んだ2023イチ推し選手③
2023年の躍進が期待される一丸尚伍

昨年41戦28勝 今年はA級1、2班戦へ

 大分支部期待の新星が活躍の舞台をA級戦へ移し、新春からさらなる高みを目指して躍動する。

 121期生として昨年4月にデビュー。41戦28勝、7Vの実績を積み上げた。12月にA級チャレンジファイナル(伊東)で勝利し、A級2班へ特別昇班を決めた。

 持ち味は長い距離をもがける先行力。仕掛けどころを心得た、新人離れしたレースぶりも光る。先行、まくりを武器に、ラインを生かす走りは先輩の評価も高い。

社会人の自転車競技でも活躍

 このレースセンスは、7歳から始めた自転車競技によって培われた。北九州市生まれ。大分の日出暘谷高(現・日出総合高)に進学し、法政大を経て社会人のブリヂストンとシマノに所属。ナショナルチームでは2017年ワールドカップチームパシュート2位、2018年アジア選手権同1位の実績を誇る。

 現在、自宅は福岡県宮若市にあり、自身で考える練習メニューは街道中心。周辺の山道でもがき、一日に30キロから120キロの長距離を走りスタミナを養う。時には宗像方面の海沿いまで足を伸ばし、練習の合間にカフェでコーヒーを飲んだり、風景写真を撮ったりするのが息抜きだ。2019年3月に幼なじみの宏子夫人と結婚。2歳の長女・依舞(えま)さんとの3人暮らしで励みも増した。

 今年の走り初めは、6日からの地元・別府F1戦。別府では昨年、7月と11月に完全優勝と圧倒的な強さを誇る。後ろを振り返ってラインが続くのを確認し逃げ切るという心憎いレースを披露するなど、内容も申し分ないものだった。「早くS級に上がり、脇本雄太選手、深谷知博選手のようにファンを盛り上げることのできる選手になりたい」と抱負を語る。九州の競輪界を支え、全国へと羽ばたく活躍を期待している。(松永 康弘)

◆一丸尚伍(いちまる・しょうご)1992年1月4日生まれ、31歳。北九州市出身。大分支部。日本競輪選手養成所121期生として2022年4月、松戸のデビュー戦(22①)で初優勝。22年12月25日の伊東A級チャレンジファイナルで1着を取り、今年1月からA級二班へ特別昇班。通算41戦28勝。173センチ、79キロ、血液型O型。

(2023/1/5紙面掲載)

関連記事

関連記事

過去記事(月別)

ページ上部へ戻る