【競輪】梅崎隆介 カマシが魅力の33歳オールドルーキー/記者が選んだ2024イチ推し選手
- 2024/1/8
- 競輪記事
家族や仲間の支えで7月からS級昇級
昨年後期にA級10場所で9回優出。優勝は1回のみながら安定した走りで93・27の点数を挙げ、7月からのS級昇級が濃厚となっている。デビュー2年目の33歳のオールドルーキーが、長崎の注目株だ。
トライアスロン出身。スイム、バイク、ランの3種混合競技で数々の好成績を残してきた。鉄人レースの異名を取る同競技の出身者は、いずれも粘り強さが持ち味だったが、梅崎は少し違う。持久力以上にダッシュが際立っており、最終ホームをめがけて仕掛ける通称「カマシ」が大きな武器になっている。
昨年は2度の負傷があり、7月にはあばら骨を折った。一度はブレーキがかかったものの、9月の復帰戦から再びの快進撃。11月福井では逃げ切ってA級1、2班戦の初優勝を挙げている。
選手生活1年半。彼自身の口から出てくるのは家族、仲間への感謝ばかり。2度目の挑戦で競輪選手養成所に合格。121期生としてデビューしたわけだが、養成所を受験した時点で妻子があった。
「競輪選手を目指したいと言ったとき、うちの奥さんが仕事をしながら支えてくれた。そして昨年の落車で骨折したときも、同じように助けになってくれた。走りながら、家族のありがたみを実感しています」
負傷欠場中に復帰へ向けて練習に誘ってくれた井上昌己、師匠の足達重満ら、仲間に感謝しながら走っている。
慢心することもない。順当にいけばデビュー2年でS級となる梅崎だが、同期が粒ぞろい。太田海也、中野慎詞、後藤大輝ら、すでに13人がS級で活躍しており、早くも追う立場だ。
慌てず、自分の足場を作っていく。「どのレースでもしっかり力を出し切って、ステージに関係なく見せ場を作り続けたい」と、常に目を輝かせている。 (中村 秀昭)
(2024/1/8紙面掲載)