【競輪】熊本競輪再開の一年 現役選手4割超が地元バンク未経験 走れる喜びを感じて

「滑走路」500バンクから400バンクに作り替え

 競輪ファン待望の熊本競輪再開が、今年こそ実現する。

 記念すべき再開の一節目の日取りは決まっていないが、予定は6月。2016年4月の熊本地震で施設が破損して休止を余儀なくされ、8年2か月ぶりの復活となる。施設の改修工事は21年11月から着手され、500バンクを縮めて400バンクに作り替えている。

 かつての熊本バンクは、全国の走路の中でも直線が一番長く「熊本滑走路」の異名を取っていた。すでに名物バンクは跡形もない。長く熊本競輪場で取材に関わらせてもらっていた記者も、ファン同様に名残惜しい。しかし、再開できることに比べれば、失うものは微々たるもの。素直に喜びたい。

熊本支部所属88人中38人が16年4月以降デビュー

 熊本競輪の休止から再開までの間に、選手層も入れ替わった。被災した16年4月は、男子109期の瓜生崇智がデビューする直前だった。その瓜生も、すでに記念競輪を制してG1、G2でも活躍。今では立派なS級戦士としてベテランの域に入っている。もちろん、今年6月以降の熊本出走がデビュー9年目にして、初の地元戦となる。

 熊本バンクを地元選手として走ったのは、105期の野口大誠まで。瓜生以降にデビューした選手は、ようやく本物の地元戦を味わうことができる。

 109期を含め、16年から昨年5月の7年間にデビューした選手は男子123期生、女子124期生まで入れて38人。熊本支部所属の全88選手(あっせん保留者を含む)のうち、約43%の選手が地元バンクを走っていないことになる。この数字を見ても、復活までの年月が長かったことが実感できる。

 少し早い話になるが、厳しい状況から再開に向けて努力してこられた関係者の皆様に、お疲れ様と言いたい。 (中村 秀昭)

(2024/1/10紙面掲載)

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