【競輪】分かりにくい「誘導員早期追い抜き」 和歌山で3人同時失格に
- 2021/12/22
- 競輪記事
2019年ルール変更
今月7日の和歌山競輪第11Rにおいて「誘導員早期追い抜き」に関する失格者が3人同時に出た。対象者は久米康平(徳島)、中井太祐(奈良)、兼本将太(熊本)。
ルールが2019年6月開催から変更され2年半。以前なら重大走行注意だった400メートル走路の残り2周(333メートル走路は残り2周半、500メートル走路は残り1周半)位置での誘導員追い抜きが「失格」に変更された。主な目的は暴走行為の防止だ。
和歌山の一戦はS級決勝進出をかけた競走で、失格した3人が勝負所の位置取りを有利にするため、同時に前に出ようとした。その際に最内から中井、久米、兼本が同時に早いタイミングで踏み込み禁止位置で誘導員の後輪に差し込んだ。ルール変更後に何度か同様の失格は起こっているが、3人同時は初。
オールスターで松本貴治が失格 長期あっせん停止に
ビッグレースでは今年8月のオールスター競輪で松本貴治(愛媛)が同項目で失格し、長期あっせん停止のペナルティーを課せられた。松本の例では失格したのが8月12日で復帰戦の初日が12月2日。今回の3人も同程度なら、復帰は来年4月以降となる。
返還など検討を
和歌山の競走はゴール入線が久米、中井、木村隆弘(徳島)、原口昌平(福岡)の順番だった。それが審議後は先にゴールした2人が失格となり、木村、原口が繰り上がりの1、2着で決勝進出。当日のネット上などのファンの意見の中では「分かりにくい」が競輪担当としての懸念材料だ。
例えば、ボートレースの「フライング艇をレース中に退避させゴールさせず、対象選手の舟券を返還する」制度。非常にファン寄りで「分かりやすい」。競輪の性質上、難しいことは理解していても、いつかルール変更がファン寄りになることを願う。(中村 秀昭)
(2021/12/22紙面掲載)