【フルコンタクト空手】裕希&星太がやった!大坪兄弟(新極真会福岡支部)が男子フルコンタクト中量級と軽量級を制す/第37回全九州空手道選手権大会/幼年から一般まで熱戦展開

優勝して、緑健児新極真会代表兼福岡支部長(中央)と笑顔を見せる大坪兄弟。左が裕希、右が星太

 第37回オープントーナメント「全九州空手道選手権大会」(スポーツ報知西部本社など後援)が18日に福岡市の福岡国際センターで開かれた。幼年から一般部まで直接打撃制によるトーナメント方式で行われ、地元の新極真会福岡支部勢は、大坪裕希が男子フルコンタクト中量級、大坪星太が同軽量級を制し、兄弟Vを達成した。

選手宣誓も務めた大坪裕希。期待に応えて危なげない戦いを披露した

兄の意地みせた!重圧に勝ち「ほっとしました」直前に星太Vで奮起

 堂々とした戦いぶりで、圧倒的なV候補が頂点に立った。24人がエントリーした男子フルコンタクト中量級。大坪裕希は決勝で大橋伊織(新極真会兵庫中央支部)と顔を合わせた。直前の軽量級決勝で弟の星太が優勝していた。マットに上がり名前が呼ばれると、この日一番の声援が飛んだ。「負けられないな」。口元をキリッと引き締めた。

 大橋とは、以前対戦したことがあった。トーナメントの組み合わせが発表されてから意識してきた相手だ。当然、向こうも大坪のことを研究してきていた。得意の後ろ蹴りが、いつものようにクリーンヒットしない。それでも焦りはなかった。クレバーな大坪らしく、冷静に分析した。「左足にダメージを受けている。そこを狙おう」。下段蹴りで的確にとらえた。

 思い描いた通り次第に相手の動きが止まってきた。こうなれば、自分のペース。下段蹴り、突き、多彩な技で一気に攻め立てた。旗判定5―0の本戦決着。「うれしいというより、ほっとしました」。ようやく表情が緩んだ。

 階級別日本一を決める5月の全日本フルコンタクト空手道選手権(JFKO)の軽中量級決勝で、同じ福岡支部の前平斗真に敗れ準優勝に終わった。その直後、緑健児新極真会代表兼福岡支部長から今大会への出場を勧められ、「地元の選手が盛り上げないといけない」と臨んだ。「優勝」の2文字を勝ち取ったことに、大きな意味がある。

 次に見据えるのは、体重無差別で日本一を争う全日本空手道選手権大会(10月5、6日・東京体育館)だ。「体重を増やして、ウェートトレーニングをして、大きい選手に当たり負けしないようにしたい」。大会の翌々日。福岡市中央区薬院にある本部道場で、さっそく次戦へ向けて黙々と練習に励む大坪の姿があった。

果敢に攻める大坪星太

あどけなさ残る16歳 兄のゲキ「気持ちで負けるな」に背中押され

 決勝戦を前に、兄の裕希から声をかけられた。「気持ちで勝てよ」。力強くうなずいた大坪星太が、横島克一(新極真会練馬支部)との男子フルコンタクト軽量級決勝で躍動した。「緊張し過ぎて、プランなどなかった」。それでも、無我夢中で突きや蹴りを繰り出した。

 本戦は2―0。延長に入った。相手の方が大きい息をしていた。「星太、星太」。声援が聞こえた。背中を押され、ひたすら攻めた。残り10秒。続けざまに膝蹴りを繰り出す。「いけたかな」。勝利を確信した星太の目の前で、旗が5本上がった。判定勝ちだった。

 兄の影響などもあって、3歳から始めた空手。まだ高校2年生で、一般部の試合は5月のJFKOに続いて、2度目の挑戦だった。緑健児代表は「勝てるだけの練習を積んでいる。だから出場を勧めた。いずれは新極真会を引っ張っていけるような存在になってほしい」と期待を寄せた。ただ全国に目を移せば、軽量級は諸流派とも強豪ぞろい。トップレベルとの実力差はまだまだある。

 「まずは、ここで優勝したかった」。笑顔がはじけた16歳が、無限の可能性を秘めた未来に向け、第一歩を踏み出した。

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