【フルコンタクト空手】地元福岡勢健闘!前平斗真V 大坪桃香&岩本日向4強/全九州空手道選手権大会

第35回オープントーナメント全九州空手道選手権大会(2022年8月21日・福岡国際センター)

 第35回オープントーナメント「全九州空手道選手権大会」が21日、福岡市の福岡国際センターで開かれた。幼年から一般の部まで70部門で、直接打撃制によるトーナメント方式で争われた。メインの男子一般上級の部は、新極真会福岡支部の前平斗真(22)が初優勝した。女子フルコンタクトの部は鈴木未紘(新極真会厚木赤羽)が制し、福岡支部の大坪桃香(17)、岩本日向(17)の高校生コンビが4強入りした。

健闘を見せた福岡支部勢。(左から)前平、岩本、大坪、緑代表

前平斗真 地元大会の重圧打ち勝った!初優勝に「ほっ」/男子一般上級の部

「斗真、おめでとう」と声をかけられ、ほっとした表情を浮かべる前平。重圧が大きかった分、喜びもひとしおだ

重量級を圧倒!

 仲間から次々と祝福され、ふっと肩の荷が下りた。重圧から解き放たれ、前平の表情がようやく緩んだ。V候補筆頭として臨んだ地元福岡の大会。「頑張れよ」「頼むぞ」と声をかけられる度に大きな期待がのしかかり、絶対に負ける訳にはいかなかった。優勝を決めた後に漏らした「うれしいというより、ほっとしました」との心情は、本音だろう。

 張り詰めていた気持ちと裏腹に、組手ではライバルを圧倒した。重量級の猛者も多い中で、1メートル75、73キロと体格は大きくないが、危なげなく、着実に勝ち上がった。準決勝では体重が10キロ以上重い早川羅偉を相手に、常に自分の得意な距離を保ち、下段、膝蹴りを次々と繰り出し、本戦4―0で勝利した。

 迎えた決勝の相手は古本翔基。十分に稽古を積んでおり、「気持ちで負けなければ、優勝できる」と臨んだ一戦だった。自信に満ちた戦いぶりで、5―0の本戦決着。頂点に 立った。

終始、自信に満ちた組手で相手を圧倒した前平

悔しさをバネに

 大会では二つの悔しさをバネにした。9月にポーランドで開かれる世界ウエイト制大会日本代表には選ばれなかった。「正直、悔しかった」と述懐。もう一つは、5月の全日本フルコンタクト空手道選手権(JFKO)の軽中量級決勝での敗戦。もう2度と悔しい思いはしたくないと、ひたむきに稽古に打ち込んだ。「レベルアップできている」という手応えを得て迎えた今大会。持てる力を出し切れば、勝てる――。自信は確信に変わっていた。

 次の目標は、12月の日本一の空手家を決める「全日本空手道選手権」だ。さらにその先には世界の舞台での活躍も思い描く。「いつかは日の丸を付けて戦ってみたい」。重圧に打ち勝ち、夢への扉をこじ開けた。 (加藤 博之)


福岡支部女子高校生コンビが4強躍進/女子フルコンタクトの部

大坪桃香 決勝で鈴木未紘と戦って優勝したかった

4強入りを果たした福岡支部の高校生コンビ。写真は大坪

 大坪は準決勝で石野まことに敗れ、「優勝したかった」と悔しさをにじませた。優勝した鈴木未紘と決勝で戦うことを目標にしていたが、かなわなかった。

 準決勝の相手の石野は、5月のJFKOの女子軽中量級を制した実力者。それでも臆することなく、前蹴りから突きの連打、左右の下段回し蹴りを仕掛けた。「前に行こうとすることで反則をとられないように、その場での打ち合いを心掛けていた」と言う。だが、石野も的確な中段回し蹴りや突きで応酬。本戦では決着つかず、延長の末に判定で敗れた。

 試合後、「石野選手のスピードと手数のすごさを実感した」と話し、12月の全日本空手道選手権での巻き返しを見据えていた。

岩本日向 「最後の30秒」後悔

4強入りを果たした岩本

 岩本は準決勝で鈴木未紘に敗れ、「(4強入りは)うれしいけど、やっぱり優勝したかった」と振り返った。

 相手の鈴木は、5月のJFKOの女子軽重量級で3位、昨年の全日本空手道選手権で準優勝の実績を持つ。岩本は膝蹴りの強さを警戒し、序盤からフットワークを駆使する作戦で挑んだ。

 中盤までは攻撃をうまくかわす場面も見られたが、次第に距離を詰められ、強烈な膝蹴りと突きを見舞われた。本戦で判定負け。「圧力が強くて、最後の30秒で押されてしまった」と悔やんでいた。

(2022/8/30紙面掲載)

※新聞紙面(8月30日)では大会の全入賞者名を掲載  <バックナンバ-お買い求め方法

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