【駅伝】第一工大4連覇! 通算20回目区切りの九州王者に/島原学生駅伝(男子)

 男女の大学九州NO1を決める「島原学生駅伝」が3日、長崎県島原市で開かれた。「第40回九州学生駅伝対校選手権大会」(7区間57・75㌔)は23チーム(うちオープン参加4チーム)が参加して争われた。第一工大がチーム一丸の走りで4連覇。来年の出雲全日本大学選抜駅伝の出場権を獲得した。優勝は20回目。「第22回九州学生女子駅伝対校選手権大会」(5区間22・80㌔)には8チーム(うちオープン参加5チーム)が出場。福岡大が8連覇で11回目の優勝を決めた。最優秀選手には、男子はアニーダ・サレー(第一工大)、女子は黒石瑠香(福岡大)が選ばれた。躍進賞は男子が鹿屋体大、女子は九州大。

昨年に続きMVPに選ばれた第一工大のアニーダ・サレー

山登りの4区 1年生・出水が好走

 底力を見せつけた第一工大が隙のない走りで、頂点に立った。最後は猛追した鹿屋体大を振り切って、アンカーの小川耀平が右手を高々と突き上げてゴールテープを切った。笑顔で勝利を喜び合う、いつもの光景。今年もまた、緑のユニホームの歓喜の輪が広がった。

 適材適所に選手を起用した岩元泉監督の采配が光った。当初は、昨年同様アニーダ・サレーを5区に起用する方針だったが、夏場に左足を痛めた影響で調子が戻り切らなかった。このため、昨年山登りの4区を走った谷口一希を5区に。勝負所と見た4区には、「山登りに適正がある」と、1年生の出水愛翔を抜てきした。

 この起用に、出水が応えた。3区でトップ立ったアニーダ・サレーからたすきを受けると、区間3位の力強い走りで先頭をキープしたまま、たすきをつないだ。5000㍍の持ち時計は決して速い方ではなく、出水中央高時代もメンバーに入れない存在。しかし、この1年生には粘り強く走り抜く強固な精神力があった。「重圧はあったけど、先輩がカバーしてくれると思い、気楽に走れた」。自身の仕事をきっちりと果たし、ほっとした表情を浮かべた。

5区間で1、2年生起用でも底力発揮

 他に、1区を任された同じく1年生の中村凌也は落ち着いた冷静な走りが持ち味、最終区の小川は独りでも自分のペースを守って走るのが得意。性格や特徴を見抜いての起用に、それぞれがしっかりと応えて見せた。

 主将の前原匠を故障で欠きながら、7人のメンバーのうち、5人が1、2年生。「下級生が刺激になって、チーム全体の底上げが図れたと思う」と前原。最多となる優勝回数を、これで20回に伸ばした九州王者。第一工大時代は、まだまだ続きそうだ。(加藤 博之)

(2022/12/4紙面掲載)


【女子】福岡大8連覇 全区間区間賞

福岡大はオープン参加のB、Cと3チームともに盤石の走りを見せた

 福岡大が盤石の走りで、8連覇を決めた。当然のように全区間で区間賞を獲得し、圧倒的な勝利。それぞれがテーマを持って大会に臨み、MVPを獲得した黒石瑠香をはじめ、力強い走りで沿道を沸かせた。12月30日に静岡県で開かれる「富士山女子駅伝」で5位以内を目指しており、山口遥主将は「全員区間新を狙っていたので、誰も出せなかったのは残念ですが、この優勝で富士山駅伝に向けて弾みが付いたと思います」と話した。


※新聞紙面(12月4日)では男子の優勝校以外の記事や、男女上位3校の走者名入りの結果、全区間賞の受賞者名を掲載 <バックナンバ-お買い求め方法

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