【ラグビー】日本経済大女子ラグビー部「AMATERUS」 トップリーグで奮闘中

 女子ラグビーのトップリーグに九州のチームとして初めて参戦している日本経済大(福岡県太宰府市)の女子ラグビー部AMATERUS(アマテラス)が、奮闘中だ。3月に行われた大会で3位に入り昇格。5月に開幕した7人制ラグビーの日本一を決める「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2023」を戦っている。同リーグは、全国から社会人や大学など16チームが出場し、熊谷、秩父宮、鈴鹿、花園の4大会の合計ポイントで優勝を争う。現在、第3戦の鈴鹿大会を終え、日本経済大は18ポイントで11位。12位以下は入れ替え戦に回るため、最終戦となる7月1、2日の花園大会に向け、一つでも上の順位をと意気込む。いつかは日本一を――。一丸となって夢を追う選手たちを紹介する。 (加藤 博之)

生き生きとした表情で楕円球を追いかける選手ら

2020年4月創部 監督に淵上宗志氏

 初夏の日差しが傾きかけたグラウンドに、女子ラグビー部員の大きな声が響いていた。「左、左。内が空いた」、「ナイスラン!」。初参戦のトップリーグは正念場を迎えており、練習にも熱がこもる。懸命に楕円球を追う、その生き生きとした表情が印象的だ。

 女子ラグビーを通じて、社会で活躍できる人材を育てたい――。そんな夢が動き始めたのは4年前のこと。2020年4月に創部し、監督には淵上宗志氏(46)が就任した。佐賀工高から関東学院大に進み、スタンドオフとして全国大学選手権の連覇に貢献。コカ・コーラウエストや日本代表でも活躍したラガーマンだ。

選手に的確なアドバイスを送る淵上監督

10人からスタート

 創部当初は10人でのスタートだった。それでも目標は高く、日本一。淵上監督は「高い方がチャレンジできるから」と説明し、こう付け加えた。「ただ、日本一を取るためにやってはいるけれど、それは手段であって、人の成長につながるということが一番」。自身もラグビーに育ててもらった経験を踏まえ、人材育成により重きを置いている。

 日本女子ラグビーの競技人口は約5000人。16年のリオ五輪から7人制ラグビーが正式競技となったことで増加傾向にある。ボールやフィールドの大きさ、時間など、ルールも含めすべて男子と同じだ。競技人口は男子と比べると少なく、まだレベルも高くはないが、その分伸びしろも多い。

日本経済大女子ラグビー部AMATERUS。社会に出て活躍できる人材の育成に力を入れている

九州から日本一狙う

 日本経済大の部員は現在、留学生3人を含め29人。ようやく1~4年生までそろい、昨年は日本代表候補の合宿に9人呼ばれるなど、チーム力も上がってきた。経験者はもちろん、一芸に秀でていれば、その特長を生かせるスポーツであるため、足が速い、パワーがあるといった理由で他競技から転向した選手も目立つ。女子ラグビーは小学校のチームは多いが、中学、高校とチーム数が減少傾向にある。また、関東などへの人材の流出を防ぐという意味でも、ここ九州の地から日本一を目指す意義は大きい。

 小学校からラグビーを始めた主将の妹尾安南さん(4年)は、「新型コロナだったり大変なこともあったけど、今は部員も増えてメンバー一丸となって戦えるようになった」と話す。今はトップリーグ残留に向け、仲間とともに汗を流す日々だ。あえて聞いてみた。ラグビーって面白い? 「はい。めっちゃ楽しいです」。はじける笑顔が、充実感を物語っていた。


低酸素トレーニング「AirZ」を体験

 日本経済大女子ラグビー部の選手らが、福岡市中央区薬院のジム「AirZ(エアーズ)福岡薬院店」で低酸素トレーニングを体験した=写真=。

 まず普通の状態で、もも上げを30秒行い、血中酸素濃度を測定した。続いて、酸素濃度を平地よりも5パーセントほど低い約15パーセントに設定した「低酸素ルーム」でランニングマシンなどを使って運動を行った。

 血中酸素濃度を比較すると、平地の運動では90台だったのが、低酸素ルームだと80台まで下がっていた。運動の量は変わらなくても、より負荷がかかっているためで、細胞の活性化や造血ホルモンが増える効果があるという。初めて低酸素トレーニングを行ったという渡部はるあさん(2年)は「汗の量や出方がいつものラグビーの練習とは全く違いました」と効果を実感している様子だった。

 低酸素トレーニングは近年、注目を集めており、AirZではルーム内を標高2500メートルと同じ酸素濃度に設定している。スポーツ選手はもちろん、ダイエットや冷え 性や貧血、睡眠の改善を目的に取り組む主婦やサラリーマンも増えている。

(2023/6/27紙面掲載)

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